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Channel: 最新の治療法など、地元の医療情報を提供する「メディカルはこだて」の編集長雑記。
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最後のひと

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忙中閑あり。
ちょうど1年前に読んだ「最後のひと」を再読した。
老年の性愛を題材にしたベストセラー「疼くひと」の著者・松井久子さんが、実感を込めて綴る希望の物語が「最後のひと」だ。


最後のひと 松井久子著

「疼くひと」の主人公は唐沢燿子という70歳の女性で、バツイチ独身の脚本家。ストーリーは。そんな彼女が年下男性と恋に落ち、性の抑圧から解放されていく。
この作品を発表した時には賛否両論、大きな反響があった。
「そんな年になってまでみっともない」と松井さんのもとを去っていく友人もいたが、「よくぞ描いてくれた」と賞賛する人も多かったそうだ。
松井さんは「老年の性愛を扱った作品に大きな反響が寄せられるということ自体、性や愛の対象から高齢者が外されていることの証左とも思える」と言う。
「最後のひと」は75歳になった唐沢燿子が86歳の仙崎理一郎を好きになった。
理一郎は市民講座で出会った哲学講師。メールを送ったことから、思わぬ扉が開いた。
映画監督・映画プロデューサーの松井さんは76歳の時、89歳の子安宣邦さんと結婚した。
松井さんは子安さんが定期的に開いている思想史の市民講座に通うようになって知り合い、交際に発展した。松井さんの実経験をベースにしている小説は、正直で生々しい記述もあるがとても読みやすい。
「75歳になって、86歳のひとを好きになって、何が悪いの?」

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