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Channel: 最新の治療法など、地元の医療情報を提供する「メディカルはこだて」の編集長雑記。
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『メディカルはこだて』取り扱い販売所一覧

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現在、「メディカルはこだて」を取り扱っている書店は下記の通りです。

栄文堂書店(末広町)
白水書店(東川町)
函館市役所売店(地階)・・2018年10月より
くまざわ書店函館店(棒二森屋アネックス、若松町)
くまざわ書店函館ポールスター店(ショッピングセンター・ポールスター、港町1丁目)
文教堂書店湯川店(コープさっぽろ湯川店、湯川町1丁目)
文教堂書店函館昭和店(函館昭和タウンプラザ、昭和1丁目)
文教堂書店函館テーオー店(テーオーデパート、梁川町)
スーパーブックス桔梗店(桔梗3丁目)
北文館(MEGAドン・キホーテ函館店、美原1丁目)
昭和書房(梁川町)
三省堂書店函館営業所川原店(川原町)
函館栄好堂丸井今井店(本町)
函館蔦屋書店(石川町)
アシーネブックス上磯店(イオン上磯店、北斗市七重浜4丁目)
マルイゲタ本店(ホクレンショップ森店、森町森川町)
万年屋書店(江差町中歌町)
MARUZEN&ジュンク堂書店札幌店(丸井今井札幌本店南館、札幌市中央区)

※コンビニ(ローソン)での販売は休止しています。

2001年の創刊号発刊以降、函館では森文化堂や大文堂、リブロ(函館西武)、bookshop函館(イトーヨーカ堂)、BOOKSいずみ(本通店、戸倉店)、神田書店、ブックポート赤川店、オレンジポート函館店、畑中文武堂、港書店など多くの書店が閉店を余儀なくされています。




入舟町の「のらいぬ」

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入舟町にあるカフェ「のらいぬ」は、新潟の佐渡島から函館に移住した夫婦が2年前にオープンした。
佐渡島で人気のカフェを営んでいたが、函館でも評判緒の店となり、多くのファンがいる。
車は写真右下の看板にあるように近くの入舟漁港へ駐車。
テーブルは2人用席が4組だけ。ということで3名以上はお断りだ。


デザイン力が素晴らしい店構え。


歯ごたえ十分の自家製ベーコンのサンドイッチ。


エマープ(素数中の素数)の不思議な力

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北海道新聞みなみ風の「立待岬」。
11月16日掲載のタイトルは「エマープ(素数中の素数)の不思議な力」。



 2、3、5、7、11、13、17。1と自分自身以外では割り切れない2以上の整数が素数だ。
 2桁の最後は97。それ以降の101、103、107、109、113までは簡単だが、その次の127は少し難しい。数が大きくなるほど、素数かどうかを暗算で判定するのはかなり面倒だ。理系ではないので不得意だが、素数を順番に頭の中で並べていく作業は、待ち時間の過ごし方としては悪くない。
 規則性があるようでないような不思議な素数は、パスワードを安全にする暗号にも用いられているなど身近な存在でもあるようだ。世の中には素数マニアもいて、温泉での下駄箱やロッカーなどもすべて素数の番号を選ぶ人もいる。
 素数を逆転させても素数になるのは、エマープと呼ばれている素数中の素数で、例えば13と31。素数は英語でprimeだが、エマープはこれを逆さまにしたemirrpだと、生物学者の福岡伸一さんのコラムで教えてもらった。
 福岡さんも書いていたが、エマープは不思議な力のある数字と意味づけられていて、災害や事故などとの関連も指摘されている。東日本大震災の3月11日(311と113)、旅客機の事故が多い10月31日(1031と1301)はエマープだが、こうした関連づけをさせてしまうのも、エマープの持っている魔力なのかもしれない。(メディカルはこだて発行人・編集人)


旧大野町の観音山

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雪が降る前に北斗市(旧大野町)向野にある観音山(144㍍)を訪れた。
八郎沼公園の途中にアーケードのようなものがあって、そこには「観音山霊場」と記されているのは知っていたが、アーケードの先へ進んでは初めてだった。



山頂の手前を右折すると、観音像が並んでいた。





観音山という名前は、馬頭観音をまつったことに由来するといわれている。
文化年間(1804~18年)頃、放牧の馬への熊による被害が多く、熊から馬を守るために馬頭観音をまつったのが観音山の歴史の始まり。
光明庵(後の光明寺)の仏母扶宗和尚が、馬頭観世音菩薩と33体の観音像をまつり、観音堂を建立し住民の不安を除いた。
明治以後は村の人々の和楽の場となって親しまれてきた。

観音山の(三等)三角点は地図で確認すると、道からすぐの位置に三角点が記されていた。
藪漕ぎは嫌いだが、どうにかなるはず。
車1台分の細い砂利道を登っていく。下り坂の直前が頂上のはずで、木に目印(ピンクテープ)があるという親切な情報も得て、三角点までの藪漕ぎ時間はわずか10数秒だった。
初めてじっくりと三角点を横から眺めた。
三角点の「三」の右上には「三」、左上には「等」の字が彫られているはずだが、読むことはできなかった。
三角測量を実施したとき、地表に埋定された基準点が三角点だが、それが一等から四等まであることも最近知ったばかりだ。
それにしても「点」の古い字体が、「里」と「占」の下に四つ点があるということも、この三角点を設置したときの歴史を感じさせてくれる。




待たせたお詫びに

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梁川町のEtadokah(エタドカ)
Etadokahは逆から読むとhakodate(ハコダテ)


仔羊の炭火焼


待たせたお詫びの一品
あまり待ったという感覚はなかったのですが・・

つゆだく焼きそば

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函館には「つゆだく焼きそば」の伝統・文化があるそうだ。
しかし、「あるそうだ」が「あったそうだ」になるそうなくらい、提供する店は少なくなっている。
あじたか(五稜郭町)の「あじたか風焼きそば」はその一つ。
若者のグループから「絶滅危惧種と言われた」と店主が笑って教えてくれた。
途中でソースをかけるのがあじたか流で、濃厚な豚骨つゆだくの美味しさが倍増する。
最後は皿に口をつけて、スープもすべて飲み干す人も少なくない。


あじたか風焼きそば

「メディカルはこだて」第68号が発刊

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函館・道南の医療・介護の雑誌「メディカルはこだて」第68号が発刊しました。



現在、函館市内および近郊の書店で販売中です。

【特集】
虐待から子どもを守るための地域のネットワーク
チャイルドファーストはこだて
石倉亜矢子(函館中央病院小児科医長)
藤井三四郎(函館中央病院総合医療支援センター医療福祉相談室)

【特集】
川口篤也を知る(函館稜北病院副院長・総合診療科科長)
臨床でモヤモヤする症例に役立つのは定型的ツールを使った
臨床倫理4分割カンファレンス

【ドクタークローズアップ】
五稜郭ネフロクリニックの泌尿器科医として就任
腎移植手術の経験から詳しい情報提供を行っていく
福澤信之(五稜郭ネフロクリニック泌尿器科)

【ドクタークローズアップ】
函館五稜郭病院に開設した救急科科長に就任
救急医療は急増する高齢者への対応が大きな変化
平山 傑(函館五稜郭病院救急科科長)

【トピックス・リポート】
市立函館病院は下肢救済へ多職種の「フットケアチーム」を発足
フットケア実践教室の開催など、病院の枠を越えた活動も
柴田 豪(市立函館病院心臓血管外科医長)

【ピックアップニュース】
がんゲノム医療の「連携病院」に道南の2病院が指定
「がん遺伝子検査」で効果の期待できる治療の検討も
成瀬宏仁(市立函館病院副院長・消化器病センター・消化器内科)
池田 健(函館五稜郭病院副院長・がんゲノム医療センターセンター長)

【ピックアップニュース】
在宅や施設で予期せぬ死亡(急変)時の対応は
医師も戸惑う医師法20条と医師法21条の正しい理解
福徳雅章(函館おしま病院院長)

乳がん切除と同時に行う乳房の一次再建も実施
石崎力久(函館五稜郭病院形成外科科長)
川岸涼子(函館五稜郭病院外科医長)

函館中央病院は大腸CTをスクリーニング法として導入
加我真朗(函館中央病院診療放射線技術科主任技師)

深海でも電子回路を安定動作させる耐圧防水に優れた樹脂を開発
鉄村光太郎(エスイーシー水産海洋プロジェクト研究員)

函館在宅フォーラム〜朝市の中心で在宅を叫ぶ〜
函館ジェネラリスト・カレッジの第15弾

「セラピア便り」  扇の要、函館から
平田 聡(特定非営利活動法人理事長)

身近な漢方医学の知識 不眠に対する漢方治療
久保田達也 (久保田内科医院院長)

健康に生きるための歯列矯正 3 「歯並び」と「舌」
古田樹己(ふるた矯正歯科院長)

CT画像は診断決定のための多くの情報を提供
川瀬 敬(川瀬デンタルクリニック院長)

従来のゴムのような型取りは不要
村田真介(吉田歯科口腔外科院長)

5分で分かる歯科の話 〜嚥下障害かな?と思ったら②〜
伊藤正明(函館新都市病院理事・歯科科長)

歯周病ってどんな病気?
向山英明(向山歯科桔梗クリニック院長)

皆様も「予防歯科」を受けてみてはいかがですか?
鎌田 俊(シュンデンタルクリニック院長)

東洋医学の治療院から〜鍼灸治療の実際
益井 基(益井東洋治療院院長)

人気の住宅街・美原5丁目に分譲販売開始
境 美幸(ハウジング・コバヤシ新築事業部部長)


虐待から子どもを守るための地域のネットワーク「 チャイルドファーストはこだて」

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第68号の特集は、虐待から子どもを守るための地域のネットワーク「 チャイルドファーストはこだて」。

2017年度に全国の児童相談所が対応した虐待は13万3778件(速報値)で、過去最高を更新した。統計を始めた1990年度から27年連続の増加だ。17年度の虐待対応の中では、配偶者への暴力で子どもがストレスを受ける「面前DV」や無視、暴言などの心理的な虐待が全体の54%を占めた。面前DVは心理的虐待と認知されたことで通告が増え続けている。
全国各地で虐待防止のための様々な取り組みが行われているが、函館中央病院は2010年に児童虐待の防止と早期発見を目的とした「院内児童虐待防止委員会」を設置し、虐待の早期発見と保護者への子育て支援を通じた予防活動を積極的に推進してきた。
院内児童虐待防止委員会の設立以降、虐待の早期発見については院内各診療科の連携も進んできたが、対外的な協力関係などの面では、同病院小児科医長の石倉医師は児童相談所とのコミュニケーション不足を感じていた。
そこで、児童相談所との勉強会をスタートさせたが、この勉強会が後に「チャイルドファーストはこだて」として継続・発展していった。
「児童相談所はどういうことをしているのか。その疑問が出発点です。児童相談所にとっても病院では何をしているのかわかりません。病院と児童相談所はお互いに理解することが必要だと考えたからです」。
2015年8月に顔合わせ会、1回目の勉強会は函館児童相談所所長の阿部康子さんによる「医療機関と児童相談所が関わった事例について」でした。
2回目は院内児童虐待防止委員会の活動について、事務局を担う医療ソーシャルワーカーの役割を同病院医療福祉相談室室長の田中博光さんが話をした。
3回目と4回目は医療機関向け虐待対応プログラムであるBEAMS Stage1について石倉医師が講師を務めている
beamには「光の束」という基本的な意味の他に「屋根の梁」や「心からの笑顔」という意味があり、複数形であるBEAMSには「皆で虐待の問題に光をあて」「崩れゆく家庭を支え」「子ども本来の笑顔を取り戻してほしい」という意味が込められている。


函館中央病院小児科医長の石倉亜矢子医師。


チャイルドファーストはこだての事務局を担当する同病院総合医療支援センター医療福祉相談室の藤井三四郎さん(社会福祉士)は「チャイルドファーストはこだてのような民間主導の勉強会で、地域の子どもに関係する多くの職種の人がこれだけ集まるのは全国的にも珍しい取り組みだと思います。そして、こんなに子どものことを思っている大人が函館にいるということ。地域の子どもを守ろうと思っている人が多いということを実感しました」と語る。
チャイルドファーストはこだての参加者は児童相談所など転勤をする人も多い。
「常に新しい人と接することになりますので、この会を継続していくことが重要だと考えます。これからも最初の始めた頃の熱い気持ちを忘れないようにしたいですね」。


函館中央病院総合医療支援センター医療福祉相談室の藤井三四郎さん。



臨床でモヤモヤする症例に役立つのは定型的ツールを使った「臨床倫理4分割カンファレンス」

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第68号の特集は、臨床でモヤモヤする症例に役立つのは定型的ツールを使った「臨床倫理4分割カンファレンス」。

函館稜北病院副院長・総合診療科科長の川口篤也医師に話を聞く特集の3回シリーズ。
前回は急性期病院を持ち回りで開催する「函館オープンカンファレンス」を取り上げた。
医療や介護などの関係者に高い評価を受けているオープンカンファレンスの取り組みが継続しているのは「小さな成功の積み重ねだった」と川口医師は教えてくれた。
オープンカンファレンスは開催する病院を急性期以外にも広げ、開催頻度も増やす予定だ。
そして、医療や介護関係者だけではなく、様々な職種の人に参加してもらえるようにすることで、地域全体の様々な立場の人の共通基盤に立つことができるような活動を目指している。

特集の2回目は「臨床倫理4分割カンファレンス」について話を聞いた。
日々の生活の中でモヤモヤすることは多くある。モヤモヤとは「わだかまりがあって心がさっぱりしないこと」「もめごと」「ごたごた」のこと。こうしたモヤモヤは患者や家族、医療者など、さまざまな人の意向が交錯する臨床現場も例外ではない。
「モヤモヤする事例は倫理的な問題を抱えていることが多い」と川口医師は話す。
「臨床倫理は特別なものではなく、日常臨床に常に存在しています。モヤモヤした時には立ち止まって考えることが大切で、気づいてからどのように対応するかが問題なのです」。
倫理とは人として守り行うべき道であるが、「倫理とは、人と人とが関わり合う場でのふさわしいふるまい方とも言えます」。
倫理的な問題を考えるために日常臨床でモヤモヤする具体的な事例をあげてもらう。
「患者さんは0歳です。72歳くらいから認知症が目立ち、誤嚥性肺炎を2回起こしました。嚥下機能が落ちていて、経口摂取はすすめられないとの医療者の判断です。胃ろうを作りますか。すんなり答えは出ましたか。さらに『患者さん』を『あなた』や『あなたの親』に置き換えると、答えはどうですか」。
患者と自分と親という条件で、答えが変わるとしたら、その違いはどこにあるのだろうか。
それは情報不足だと考える人も多いかもしれないが、それではどういう情報があれば決めることができるのか。
「胃ろうを入れたらどうなるという医学的事実『エビデンス』と本人や周囲がどういう価値観でこれまで生きてきたかという『ナラティブ(ものがたり)』で判断は変わります。
自分の価値観にも自覚的になることが必要です」。
すべての意思決定はエビデンスと価値の二本の足の上に立っているそうだ(二本の足の原則)。


函館稜北病院副院長・総合診療科科長の川口篤也医師


在宅や施設で予期せぬ死亡(急変)時の対応は。医師も戸惑う医師法20条と医師法21条の正しい理解

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第68号のピックアップニュースは、「在宅や施設で予期せぬ死亡(急変)時の対応は。医師も戸惑う医師法20条と医師法21条の正しい理解」。

前回は、医師法第20条を、今も誤解している医療者が多いこと。そして医師法20条ただし書きの適切な運用とはどういうことなのかについて、函館おしま病院の福徳雅章院長に体験例なども交えて解説をしてもらった。
今回は医師法第21条の誤解や医師法20条と21条の正しい解釈、問題点などを取り上げる。
医師法第21条は「医師は、死体又は妊娠4月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出なければならない」とある。
医師は死体を検案して異状があると認めたときには警察に届け出なければならないが、医師法21条は医師法20条と同じように誤解されてきたと福徳院長は話す。
その誤解となったのは、「死体検案書を交付した場合は全て警察に届けなければならない」「死因が確定できない場合は警察に届けなければならない」「病死・自然死以外は全て警察に届けなければならない」「診療関連死は警察に届けなければならない」という解釈にあって、福徳院長は「死体に異状がある(異状死体)」ということを「死にいたる過程での異状」を含むようになってしまったと教えてくれる。
医師法21条の解釈についての議論は1994年、日本法医学会が「異状死」に「診療関連死」を含める「異状死ガイドライン」を発表する。
翌95年には厚生省が「死亡診断書記入マニュアル」に、「異状とは、病理学的異状でなく、法医学的異状を指します。法医学的異状については、日本法医学会が定めている『異状死ガイドライン』等も参考にして下さい。」と記載、一学会のガイドラインであったものを事実上、厚生省の指導としてしまった。
「診療関連死」に警察介入の道が開かれたのは、99年に患者取り違えや消毒薬誤注射などの重大な医療事故・事件が相次いだことによる。
2000年厚生省は国立病院の「リスクマネージメントマニュアル作成指針」の「警察への届出」の項に、「医療過誤によって死亡又は傷害が発生した場合又はその疑いがある場合には、施設長は速やかに所轄警察署に届出を行う」と記載した。
「この記載によって、医療者は医師法21条の解釈変更と受け止めたのです。
その結果、在宅や施設における死亡、医療ミスによる死亡での警察への届け出が急増してしまいました」。


函館おしま病院の福徳雅章院長




がんゲノム医療の「連携病院」に道南の2病院が指定。「がん遺伝子検査」で効果の期待できる治療の検討も

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第68号のピックアップニュースは、がんゲノム医療の「連携病院」に道南の2病院が指定。「がん遺伝子検査」で効果の期待できる治療の検討も。

がん細胞のゲノム情報を調べて、その結果をもとに、より効率的で効果的に診断や治療、予防を行う「がんゲノム医療」で、市立函館病院(森下清文院長)と函館五稜郭病院(中田智明病院長)は10月1日、全国に11カ所ある中核拠点病院の「連携病院」に指定された。
市立函館病院は北海道大学病院、函館五稜郭病院は慶応大学病院と、それぞれの中核拠点病院と連携する。道内では道南の2病院のほか、札幌医科大学附属病院、北海道がんセンター、旭川大学病院が北海道大学病院の連携病院として指定されている。
ゲノムとは生物の遺伝に関わるいろいろなDNA分子全体に対する総称だが、がんゲノム医療で行われる「がん遺伝子検査」とは、がんのもつ遺伝子の特徴を調べる検査で、この結果によって、効果の期待できる治療を検討できる場合がある。
生まれてから後に起こった、次の世代に引き継がれることのない遺伝子変異は「体細胞変異」と呼ばれているが、その変異を明らかにするのが「がん遺伝子検査」だ。


市立函館病院は来年度には、がんゲノム医療の専門外来を院内に開設し、患者の受け入れを開始する予定で、遺伝子パネル検査の導入も目指している。
同病院はこれまで北海道大学病院腫瘍内科と共同で分子標的薬や抗がん薬の臨床試験に取り組んできた。
消化器内科の成瀬宏仁副院長は「抗がん剤の効果や副作用を予測するコンパニオン診断は、肺がんなど一部の遺伝子検査を実施してきました」と話す。
コンパニオン診断をすることで、特定のがん治療薬が効く可能性の高い患者を特定することができることから、高い治療効果が期待され、無駄な治療を行う必要もなくなった。


市立函館病院副院長・消化器病センター・消化器内科の成瀬宏仁医師


今年7月に「がん遺伝子外来」を開設した函館五稜郭病院は、外部機関と協力して遺伝子パネル検査(網羅的がん遺伝子解析プレシジョン検査)を行っている。
同病院がんゲノム医療センターの池田健センター長(副院長)は「がんは様々な遺伝子の異常が積み重なることで発症し、その遺伝子の異常は個々の患者さんごとに異なることが分かってきました」と話す。
現在、その遺伝子の異常を標的とした治療薬(分子標的薬)が日常診療で使われているが、現在行われている一般的な遺伝子検査はそのごく一部しか調べることができない。
「当院が実施している網羅的がん遺伝子解析では、がんの診断や治療に役立つ情報を得るために、一度に160の遺伝子変化を調べる最新の解析技術を用いて、患者さんのがんの原因遺伝子が何かを知ることができます」。


函館五稜郭病院副院長・がんゲノム医療センターセンター長の池田健医師



 

市立函館病院は下肢救済へ多職種の「フットケアチーム」を発足

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第68号のトピックス・リポートは、市立函館病院は下肢救済へ多職種の「フットケアチーム」を発足。

下肢動脈が動脈硬化によって狭窄したり閉塞することで血流不全になる病気がPAD(末梢動脈疾患)だ。
PADは悪化すると痛みで歩行も困難になり、最終的には下肢切断に至ることもあるが、切断された患者の予後(5年生存率)は大腸がんと同等と言われていて、下肢切断に至る前に適切な治療が必要となる。
市立函館病院(森下清文院長)心臓血管外科は、急増する大動脈瘤に対応するために全国に先駆けて大動脈瘤外来を開設したが、PAD(末梢動脈疾患)の治療にも力を入れてきた。
PADの患者は65歳以上の10〜15%と推定されているが、高齢化の進行や食生活の欧米化、糖尿病・透析患者の増加に伴い、患者数も増えることが予想されている。
同病院では2014年から院内の有志による下肢救済の取り組みをスタートさせたが、これまでの実績が評価され、今年4月スキンケア委員会の「フットケアチーム」として正式に認定された。
現在、チームのメンバーは医師、看護師、理学療法士、臨床検査技師、診療放射線技師など16人で構成されている。
心臓血管外科の柴田豪医師は「道南ではフットケア外来を設けている医療機関はありますが、その多くは看護師を中心とした組織であり、多職種でのチームを結成し、入院中の患者をケアするチームは全国的にも少ないはず」と話す。
同科では従来のバイパス手術に加えて、カテーテルによる血管内治療(EVT)、体外循環装置で血液中からLDLコレステロールを選択的に吸着除去するLDLアフェレーシス、高圧酸素療法など、心臓・血管疾患に最適な治療を実現するハイブリッド治療の実績に高い評価を得ている。


市立函館病院心臓血管外科の柴田豪医長



水深1万メートルの深海でも電子回路を安定動作させる耐圧防水に優れた樹脂(ジェラフィン)を開発

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第68号では、水深1万メートルの深海でも電子回路を安定動作させる耐圧防水に優れた樹脂(ジェラフィン)を取り上げた。

ソフトウエア設計・開発のエスイーシー(本社・函館市末広町、永井英夫社長)は、地元企業・団体向けのSIサービスや携帯電話交換機など情報通信系インフラの受託設計を行う道内大手のIT企業として成長を続けてきた。
新分野への事業展開に力を入れている同社は、2008年10月に自主研究開発チームである「水産海洋プロジェクト」を発足させ、海洋データ通信や海洋IoT(モノのインターネット)機器の開発を行っている。開発製品の中で最も注目を集めているのが、水深1万メートルの深海でも電子回路を安定動作させる耐圧防水に優れた合成樹脂「ジェラフィン」だ。
開発者で研究員の鉄村光太郎さんに話を聞いた。
愛知県出身の鉄村さんは北海道大学水産学部で漁業機械学を専攻。芝浦工業大学で電子工学を学んだ毛内也之さんと共に樹脂の研究・開発に携わってきた。
同プロジェクトでは海洋ブイやリアルタイム式水温計などを開発してきたが、ジェラフィン開発に至った経緯は「水温計などを海中で保護する防水素材を独自で作ろうとしたことがきっかけでした」と鉄村さんは語る。
精密機械を海で使うことは難しい。「海中では、水圧や波浪・衝撃、外力による電子部品の動作不良。信号・光・電波の導通における水圧影響など様々な阻害要因があります」。
従来の耐圧防水技術は億単位のコストをかけた耐圧容器に入れるのが一般的だった。「過重な装置大型化と高コスト化を回避する方法は無いかと考えたのが出発点です。既存のケース剛性で水圧を排除する方式ではなく、圧力バランスによる破壊を防止する油浸技術が該当するのではないかと判断しました」。保護剤としては液体オイルが適しているが、高コストな油密機構が必要だ。「世の中にある様々なシール剤、防止素材を調査して、液体オイルの替わりにゲル素材を候補にしました」。
昨年6月には特許を取得し、翌7月から販売を始めた。ジェラフィンの主な用途は海洋分野では、海中ロボットの防水や衝撃保護。海中カメラや海中LED照明、海底地震計、海洋観測センサーの防水処理。社会インフラ系分野では下水処理施設など腐食ガス環境での電子部品や金属部品保護、屋外LED照明の防水・防湿・防塵対策、特に硫化物イオン対策があげられる。
この他にも航空機LED翼灯や大型ドローンの防水対策などの航空・宇宙分野。そして、医療分野では再生医療素材や医療計測装置の防水・防湿・防塵処理に高い効果が期待される。
実際、医療分野に関しては関連企業などからの問い合わせもある。
11月28日から3日間東京ビッグサイトで開催された航空宇宙関連最新技術と製品を展示する「国際航空宇宙展2018東京」では、東北・北海道経済産業局の合同ブースに出展し大きな注目を集めた。
「今後は素材によるビジネスから応用製品へと需要はさらに広がっていくはず」と、鉄村さんは新素材の発展に手応えを感じている。


エスイーシー水産海洋プロジェクト研究員の鉄村光太郎さん。



電子基板を包んだ「ジェラフィン」。
この状態で1万mの深海でも水圧から防護することができる。

最初で最後

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大野農業高校では、クリスマスの時期に大野地区の1人暮らしの高齢者宅を訪問して、シクラメンなどの育てた花と手作りのカップケーキを渡している。
母も毎年、大野農高生の訪問を楽しみにしてきたが、今年は「カメラを持った人も一緒に来て、年齢なども聞かれた」と言っていた。
もしかして?と思っていたら、新聞に掲載されました。
新聞で写真が掲載されるのは、最初で最後でしょう。




昨年最後の山歩き。

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昨年、最後の山歩きは函館山の裏にあった寒川(集落跡)へ。
寒川の歴史は明治17年頃の富山県からの入植者が始まりだ。
当時、寒川の沖合は津軽暖流と千島寒流との潮目ができるところで、ブリなどの魚も豊富にとれた。
寒い時期にはノリやフノリを採って、市街地で売っていた。
集落には3本の川が流れていたが、寒川の名前の由来は、その「3本の川」に由来するという説がある。
明治末から昭和の初め頃には60人ほどが住んでいて、小学校の分校もあった。分校には1常時10~16人の生徒がいたが、昭和18年の閉校時の児童数は2人。
戦後は徐々に部落を離れる住民も増え、昭和29年9月の洞爺丸台風以降、残っていた数軒も移転を余儀なくされた。
海岸はこれまでで最も漂着物が多い。
木造船の一部のような物を見つけたときは緊張した。


通行禁止の看板が登山(下山?)口






海岸に残っている石垣が、当時の集落の様子を少しだけ想像させてくれる。



大森浜のカモメ

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大森浜(啄木小公園)のカモメ(オオセグロカモメ?)。
近づいても微動だにしない。
泰然自若のたたずまいだった。


松風グルカのカレー

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大門地区の菊水小路にある「印度涅巴爾大衆食堂 松風グルカ」(松風町10)。
日本人オーナーと一緒にメニューを考案し、厨房で腕を振るっているのはネパール東部出身のシェフ、オム・サンヤシさん。
香味野菜を煮込んでだしを作っているが、これはラーメンのだしにヒントを得たものだ。
スパイスを組み合わせた深みのある味にさまざまな香辛料を調合したオリジナルマサラを加え、最後に生のバクチーをトッピング。
「日本のうまみ」も取り入れたカレーを提供している。
近所の「やきとり太郎」から貰ったという「赤かぶの漬物」も美味しかった。
 ※涅巴爾はネパール



日暮山と大沼森林公園

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日暮山の雪は軽くて、スノーシューも深く沈んだ。


頂上が近づく頃には青空が広がってきた。


右手前が小沼、中央奥が大沼(日暮山山頂から)

日暮山の後は大沼森林公園へ。


大沼森林公園の静かな林。日暮山も大沼森林公園も誰とも出会うことはなかった。


長沼。湖面には動物の足跡がたくさんあった。



第68号が北海道新聞「みなみ風」に紹介される

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北海道新聞「みなみ風」に掲載された第68号の紹介記事は下記の通り。



◎メディカルはこだて第68号発売
道南の医療や介護、福祉などの情報を発信する雑誌「メディカルはこだて」の第68号が発売された。
特集は「虐待から子どもを守るための地域のネットワーク チャイルドファーストはこだて」。「チャイルドファーストはこだて」は、函館中央病院と児童相談所の勉強会が出発点となり、さまざまな職種の人が2カ月ごとに勉強会を開いている。同病院小児科医長の石倉亜矢子さん、同病院総合医療支援センター医療福祉相談室の藤井三四郎さんに話を聞いている。
また、「ピックアップニュース」では「がんゲノム医療」の「連携病院」に指定された市立函館病院と函館五稜郭病院の取り組みを紹介している(1月15日付の北海道新聞「みなみ風」より。一部省略)。

「内なる魚」の教え

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北海道新聞みなみ風の「立待岬」。
1月18日掲載のタイトルは「内なる魚」の教え。



 晴れた日の穏やかな冬の海。砂浜に座って打ち寄せる波を眺めていた。遠くにいる釣り人に当たりがきて、釣れた魚はカレイのようだった。
 海辺や川岸はわたしたちを引きつけ、ざわついた気持ちに潤いを与えてくれる。その理由はどこにあるのだろうか。それは、わたしたちヒトの、生物としての歴史に関係があって、そのことは「魚に聞くのがいちばんだ」と古代生物学者で解剖学者のニール・シュービンは言う。
 彼は、魚が海から陸に上がっていったという学説で、魚と両生類の間を埋める重要なミッシングリンク、ひじがあって腕立て伏せのできる魚「ティクターリク」の化石を発見した。著書の「ヒトのなかの魚、魚のなかのヒト」は、その化石を発見するまでの臨場感あふれるドキュメントであるが、水中から陸に上がってこようとした魚とヒトの体は驚くべき類似を示していることも教えてくれる。わたしたちの体のなかには「内なる魚」がいるのだ。
 ティクターリクが暮らしていた3億7500万年前は、ティクターリクの2倍に達する魚もいるなど、魚どうしが食い合う世界だった。この状況で成功するためには大きくなるか、武装するか、水から出るかである。わたしたちのはるかな祖先は戦いを避ける選択をした。「逃げるが勝ち」は、内なる魚が教えてくれたのだった。。(メディカルはこだて発行人・編集人)


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