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Channel: 最新の治療法など、地元の医療情報を提供する「メディカルはこだて」の編集長雑記。
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第58号が函館新聞に紹介される

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函館新聞に掲載された第58号の紹介記事は下記の通り。



「函館・道南の医療・介護・福祉の専門雑誌「メディカルはこだて」の第58号が、このほど発売された。「今号では乳がんの手術で失った乳房を再建する『人工乳房(インプラント)について特集。北美原クリニックの早川善郎医師と函館五稜郭病院形成外科の石崎力久医長が連携する乳房再建を紹介した。この春に就任した国立病院機構函館病院の加藤元嗣院長、函館五稜郭病院の中田智明病院長の2人をインタビューしている。また、入院支援室を開設した函館渡辺病院や、外国人患者受入れ医療機関認証制度の認証を取得した函館新都市病院、はこだて地域医療連携実務者協議会(通称イカリングの会)が開業医に行った医療連携に関するアンケート結果を掲載している」(5月25日付の函館新聞より。一部省略)。





亀田川を歩く

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北海道新聞みなみ風の「立待岬」。
5月30日掲載のタイトルは「亀田川を歩く」。



 旅先で橋から川を眺めたり、川沿いの道を歩くのが楽しみだ。水に親しむ川づくりの整備が全国各地で進められている。
 亀田川の今はどうなっているのだろうか。函館の市街地を抜け津軽海峡に注ぐ亀田川沿いを、河口から上流に向かって歩いてみた。
 最初の大森橋から昭和橋の間には階段やれんが敷きの遊歩道がある。川の歴史などが記された東橋近くの「亀田川物語」の掲示板は字が小さく、周囲は草で覆われていた。
 田家橋手前では川の近くまで降りることができる。五稜郭橋から中道橋の途中では川の流れる音や野鳥の鳴き声も聞こえた。
 産業道路の歓喜橋を過ぎ、神山橋から四稜郭橋へは住宅街の中を歩く。笹流ダム手前の貯水池橋を渡り、林道を進むと最後の27番目の橋、みなもとばしがあった。
 水辺は潤いや安らぎをもたらしてくれる地域の貴重なオープンスペースであるはずだが、亀田川には親しみやすい水辺の雰囲気は少し乏しいようにも感じられた。
 私の知人は東北で緑の中を川の音を聞きながら歩いた喜びが忘れられず、また同じ季節に再訪した。川のほとりに座り、南部せんべいをつまみにコンビニで買った缶ビールを飲んだという。私も同じことをしたかったが、亀田川でビールを飲みたくなる場所がなかったのは残念だ。
                                                 (メディカルはこだて発行・編集人)



恵山(八幡川コース)

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先週の5月29日は恵山の八幡川コースを歩いてきた。
駐車場のある登山口にはヒグマ注意の看板だけしかない。
少し歩くとようやく「八幡川登山コース」の案内板がある。
八幡川コースは利用する人が少なく、この日も誰にも会わなかった。


登山口にある「ヒグマ注意」の看板



最初は日の当たらない林の中を登っていく。
途中からは道も狭く歩きづらい。



木々の背丈が低くなると「461㍍コブ」はもうすぐだ。



461㍍コブから眺めると、恵山が活火山であることがよくわかる。


「461㍍コブ」付近からの恵山。


海向山

岬展望台まで歩き、ベンチに座っておにぎりを食べた。



下山後は、南茅部にある二本柳旅館の「手打ちそば久蔵」へ。


鴨せいろ



古本の値段

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北海道新聞みなみ風の「立待岬」。
7月15日掲載のタイトルは「古本の値段」。



 中古本販売チェーンという新業態を確立したブックオフコーポレーション。全国にチェーン店を拡大させてきたが、中古本市場の縮小や新規参入の影響で、「本」から中古家電の買い取りなど「何でもリユース」へと転換を進めている。
 昔は函館も古本屋が市内に点在していた。通い慣れた店では、ある外国人作家の小説を続けて買った。「同じ作家ばかり読んでるね」。店主が初めて声をかけてきた。面白いからと答えたら、面白いだけの二流よりも一流を読みなさいと諭す。それからは面白くない小説も一緒に選んだ。
 最初に本を売ったのもその店だった。店主は一瞥してつまらなさそうな顔をした。こういう本しか読んでないと思われたくなかった。若かったのだ。次回は惜しむことをしなかった。「変わったのを読んでるね」という店主の顔は前とは違った。そのとき渡されたお金の額は意外だったが、あなただから高くしたとも言われた。当時は余計なことをしてという気持ちだけだったが、今ならお礼をいって通い続けているだろう。
 チェーン店では本について店員との会話はないが、それに代わるのがレシートに明示される個々の買い取り価格だ。最近ではピケティの「21世紀の資本」が950円、DVD「黒い雨」が1140円と評価されたようだ。東海林さだおの本が100円、伊集院静の本は5円というのは需給ギャップによるものだろうか。
                                         (メディカルはこだて発行・編集人)

患者不在の混乱が続く町立松前病院

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町立松前病院(100床)の木村真司院長が7月末で退職した。
今年10月以降は常勤医が7人から4人に減る。
病院の経営再建をした事務長の再任用をめぐる病院と町・議会の意見対立、地方独立行政法人化の先送り(病院改革を進めるため独立行政法人化を目指したが、町側が慎重な姿勢を崩さなかった)、その間には木村院長を被告にした公金支出返還請求事件の住民訴訟の提起(2014年10月24日の判決で木村院長全面勝訴の判決が出た)などもあった。

北海道新聞8月14日付の記事は下記の通り。



積極的な研修医受け入れなど先進的な地域医療を進めてきた渡島管内松前町の町立松前病院(100床)が、事業縮小の危機に直面している。病院の地方独立行政法人化(独法化)を巡って町と対立し、木村真司院長が7月末に退職。他の医師の辞職も決まり、一時10人いた常勤医が10月以降4人に減るからだ。研修医受け入れや人工透析の治療体制は見直さざるをえず、独法化も困難な情勢だ。後任院長さえ決まらない状況に、町民らは不安を募らせている。
「後任院長の選考を急ぎ、新たな医療体制確立に努めたい」。木村院長退院後の病院運営について石山英雄町長は強調するが、具体的なめどはついていない。
木村氏は、2005年に院長に就任。少子高齢化が進む地域での新たな医療サービスを目指して「全科診療(総合診療)」制度を導入し、無料送迎バス運行や人工透析治療に積極的に取り組んできた。研修医や医学生の育成事業も確立し、15年度は全国から60人を受け入れた。同病院が事務局のインターネット中継で行う学習会には、全国400の病院や個人などが登録している。
こうした地域医療の充実に加え、地方交付税の増額もあり、09年度決算以降、黒字経営を続けてきた。ただ今後、社会保障費の見直しで交付税が減額される懸念がある。木村院長は、経営基盤強化策として、道内市町村では初となる独法化を町、町議会に要望。①適材適所の職員配置、採用②病院独自の中期目標・計画策定ーが可能などと利点を訴えた。
町、町議会も「持続可能な病院運営が必要」とする点では、病院と一致する。町は、17年度の独法化を目標に行政改革室を設置し、町議会は調査特別委で議論に着手した。ただ、委員からは「軽費が膨大」「人口減の中で収入を増やせるのか」と慎重意見が続出した。
石山町長は、こうした経緯を踏まえ定例町議会を控えた6月初旬、木村氏と会い、病院職員の意向調査を行うと伝える一方、独法化に必要となる定款について、議会提案先送りの意向を示唆した。木村氏はこれに反発し、即座に辞意を表明した。病院経営に詳しい城西大学経営学部(埼玉県坂戸市)の伊関友伸教授は「木村氏の努力を評価すべきなのに、町側の評価が低かった」と指摘する。
病院と町、町議会の対立は、13年の騒動にさかのぼる。当時、定年退職した事務局長の雇用継続が認められないことに反発した木村院長と常勤医8人が辞意を表明。石山町長と町議会議長が陳謝し、独法化検討を約束して辞意は撤回されたが、双方に不信感や感情的なしこりを残した。一部町民は、事務局長の雇用を継続する条例案を否決した当時の町議会の議長(現町議)が「一連の混乱を招いた」として解職請求(リコール)を模索する。
病院改革を主導した木村氏の辞職で、松前病院の求心力低下は否めない。現在6人の常勤医のうち1人が他の病院に移るほか、将来を不安視した1人が辞職を決めた。市立函館病院と函館協会病院は、医師派遣を9月末までに取りやめる。
診療体制見直しを迫られる松前病院は、7月末に研修医受け入れを停止。人工透析の診療数や老人ホームへの訪問回数を減らす方向だ。ある病院関係者は「独法化を町に要望する余裕などなくなった」と吐露する。町は後任院長について、八木田一雄副院長を軸に病院側と調整しているが、町民からは「対応が遅すぎる。患者不在の混乱にうんざりだ」との声が漏れる。

※町立松前病院は、ホームページで病院長の職務代理について、「松前町立松前病院病院長木村眞司の退職に伴い、松前町立松前病院副院長八木田 一雄がその職務を代理します」と発表している。



碧血碑の前には薄青色のアジサイ

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5~6日前に函館山を歩いてきた。

千畳敷コースにある休憩施設は老朽化のために取り壊され、あずまやに建て替えられていた。



空は秋の雲だった。



碧血碑の前には薄青色のアジサイが咲いていた。



碧血碑(へっけつひ)は箱館戦争での旧幕府軍の戦没者(約800名)を供養するために函館山のふもとに建立された。
碧血とは「義に殉じて流した武人の血は3年たつと碧色になる」との中国故事による。


碧血碑

「メディカルはこだて」の夏号(第59号)が発刊

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「メディカルはこだて」の夏号(第59号)が8月10日に発刊しました。



現在、函館市内および近郊の書店で販売中です。

【特集】
終末期がん患者を地域の中で支えるための新しい体制を作る
「南渡島地域包括緩和ケアネットワーク」の構築に向けて
福徳雅章(函館おしま病院院長)

【スペシャルリポート】精神科医療におけるイノベーションを目指して
三國雅彦(函館渡辺病院副理事長・名誉院長)

【トピックス・リポート】函館新都市病院は「肩の名医」として知られる著明な筒井廣明医師の診療を隔週末に実施
筒井廣明(昭和大学整形外科学客員教授)

【トピックス・リポート】函館五稜郭病院は救急体制の強化で、小林慎医師が救急担当医に着任
小林 慎(函館五稜郭病院外科診療部長)

【トピックス・リポート】日本感染管理ネットワーク北海道支部「道南ブロック」は研修会を開催
山根のぞみ(函館五稜郭病院感染情報管理室副看護師長)

【ピックアップニュース】 若年層の発症が増えている子宮頸がん
田中 惠(函館五稜郭病院副院長)

【ピックアップニュース】国立病院機構函館病院は保険適用外の「ピロリ菌専門外来」を開設
加藤元嗣(国立病院機構函館病院院長)

【ピックアップニュース】函館市は今春より中学生のピロリ菌検査を実施
堀野昌幸(函館市保健福祉部健康増進課主査)

【ドクター・クローズアップ】血液内科医として岡山の病院で骨髄移植に尽力
手塚裕章(ななえ新病院院長補佐)

工夫を重ねる函館市医師会病院の栄養教室
渡辺久里子(函館市医師会病院栄養課主査)

楽しく楽ちんな母乳育児をトータルケア
笠原視砂子(かさはら母乳育児助産院)

入院中のお父さんへ、大好きだった「古城」を演奏
藤田佳久(函館おしま病院診療放射線技師長・企画部長)

認知症看護認定看護師として、質の高い看護ケアを実践
谷藤幸恵(函館新都市病院看護部3病棟看護師)

会社を辞め、管理栄養士を目指したのは32歳のとき
工藤 茂(函館五稜郭病院栄養課)

道南・生と死を考える会の7月の講演会は「お家で大往生」
高畑智子(訪問看護ステーション「オハナ」代表)

「セラピア便り」  扇の要、函館から
平田 聡(特定非営利活動法人理事長)

身近な漢方医学の知識 『肩こり』の漢方治療ついて(その1)
久保田達也 (久保田内科医院院長)

お薦めの一冊 「大沼ワルツ」
日隠 修 (栄好堂美原店)

痛みとしびれに画期的な治療の「遠絡療法」とは
久米 守(久米整形外科院長)

メアリー・エイケンヘッドにホスピスの原点を求めて
細野容子(元岐阜大学医学部看護学科教授・京都市在住)

The 矯正インタビュー Before&After ⑯
古田樹己(ふるた矯正歯科院長)

診断・治療に能力を発揮するマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)
川瀬 敬(川瀬デンタルクリニック院長)

親知らずを使った「歯の移植」
村田真介(吉田歯科口腔外科院長)

5分で分かる歯科の話 〜本当は怖い「歯周病」〜
伊藤正明(函館新都市病院理事・歯科科長)

地域の皆様から「歯医者の向山さん」として親しまれてきました
向山英明(向山歯科桔梗クリニック院長)

東洋医学の治療院から スポーツ外傷の治療
益井 基(益井東洋治療院院長)

終末期がん患者を地域の中で支えるための新しい体制を作る

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第59号の特集は、終末期がん患者を地域の中で支えるための新しい体制を作る。「南渡島地域包括緩和ケアネットワーク」の構築に向けて

5月25日、終末期がん患者を地域の中で支えるための新しい体制として「南渡島地域包括緩和ケアネットワーク」が設立された。設立の目的は、南渡島2次医療圏における緩和ケアの質の向上を図り、切れ目のない緩和ケア提供体制を作ることにより、住み慣れた地域で安心して過ごすことができるように地域全体で取り組むこと。具体的には緩和ケアに関する情報収集と提供、緩和ケア連携パスの作成、緩和ケアネットワークの強化、医療・介護従事者への緩和ケアや看取り教育の実施、市民への情報提供や相談支援体制の整備、地域ボランティアの育成、遺族ケアの取り組みなどの事業を予定している。事務局は函館五稜郭病院とし、代表世話人には函館おしま病院の福徳雅章院長が就任した。緩和ケア提供体制を構築するための課題や目標を達成するために、どのように取り組んでいくのか。福徳院長に話を聞いた。

認知症看護認定看護師として、質の高い看護ケアを実践

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第59号では函館新都市病院看護部3病棟看護師の谷藤幸恵さんを取材した。


認知症看護認定看護師の谷藤幸恵さん(函館新都市病院3病棟にて)

厚生労働省は2025年の認知症者は、現状の約1.5倍となる700万人を超えるとの推計を発表した。高齢化とともに増加する認知症には社会の関心も集まっているが、医療現場では急性期病院も含めて、認知症者を受け入れるための整備が求められている。
道南地区には3人の認知症看護認定看護師がいるが、そのうちの1人が函館新都市病院の谷藤幸恵さんだ。昨年、認知症看護認定看護師の資格を取得した谷藤さんだが、これまでも認知症看護に興味をもっていた。「10年以上も前ですが、夜勤の際に院内を徘徊する認知症の入院患者さんがいました。内科に病気を疑われる症状がありましたが、出口を捜して家に帰ることを諦めないことで、結局は退院しました」。このことを契機に谷藤さんは認知症に関する学習会に足を運ぶなど、独学で認知症のケアを学び始めた。
5年前には「認知症ケア専門士」の資格を取得。「知識は深まりましたが、自己満足だけでケアの広がりはなく、もっと勉強したいという気持ちが強くなっていきました」。2013年認知症看護の教育課程入試試験に合格し、2014年5月から12月まで北海道医療大学(石狩郡当別町)で研修を受けた。「講義後のレポートと試験も苦労しましたが、最も厳しかったのは登別の病院で行われた6週間の実習でした」。
所属病棟患者の約2割は認知症による生活障害がある。「認知症の方と院外の散歩やお茶を飲むなど、一緒の時間を過ごすことも大切にしています」。仕事をさぼっていると思われたこともあったかもと谷藤さんは笑う。

(以上、本文より一部を抜粋)

楽しく楽ちんな母乳育児をトータルケア

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第59号では、かさはら母乳育児助産院の笠原視砂子さんを取材した。


出張先のお母さんと赤ちゃんの自宅で、母乳育児についてアドバイスをする笠原視砂子さん。

8月1日、助産師の笠原視砂子さんが出張専門の「かさはら母乳育児助産院」を開院した。妊娠中や出産後のお母さんの家庭を訪問して悩みや相談を受ける(妊婦健診や分娩は行わない)出張スタイルの助産院は、函館では初めてとなる。初日には3人のお母さんと赤ちゃんの自宅へ出かけた。
ホームページの最初に記されている「楽しく楽ちんな母乳育児をトータルケア」は、「おっぱいの子育てをもっと楽しんでもらいたい」「もっと楽ちんにやってもらいたい」、そしてトータルケアとは、そうした楽しく楽ちんな母乳育児に近づくために、ただ単純におっぱいのトラブルの解決だけではなく、「お母さんと赤ちゃんの生活からケアしたい」という笠原さんの熱いメッセージが込められている。「私はそんなサポートをしたくて病院を飛び出しました。今日はその一歩を踏み出すことができて本当にうれしいです」。そう話す笠原さんは、とびきりの笑顔だった。


「出張することで育児の手助けをしたい」と話す笠原視砂子さん。

1992年に助産師として函館中央病院に勤務。2005年には自身の出産・育児のため2年間の休職を経て復職する。同病院では周産期センターや産科外来など、主に産後の育児支援を担当してきた。「育児や授乳に関するさまざまな不安や悩み、お母さんたちのからだの不調を知り、もっと楽しく楽ちんに育児ができるためのお手伝いをしたいと強く感じるようになりました」。お母さんからは「病院ではできるのに、家ではできない」と言われることがよくあった。「それにちょっとジレンマを感じていました。家ではどの場所で、どういう状態で授乳してるのかを必ず確認していましたが、病院ではそれを再現できないことが多くありました」。自宅へ訪問することで、お母さんの普段の育児や生活の様子を見ることができる。「お母さんへのアドバイスも、より具体的で適したものになるはずで、出張することで育児の手助けをしたいと退職を決意し、独立することにしました」。


(以上、本文より一部を抜粋)

道南・生と死を考える会の7月の講演会は「お家で大往生」

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第59号では、訪問看護ステーション「オハナ」代表の高畑智子さんを取材した。


講演をする訪問看護ステーション「オハナ」代表の高畑智子さん。

道南・生と死を考える会(山田豊会長)の講演会が7月3日、函館中央病院南棟8階講堂で開催された。「お家で大往生」の演題で講演した高畑智子さんは、訪問看護ステーション「オハナ」代表。最期まで自宅で生活をするために必要なことや在宅医療の実例を紹介した講演に参加者は熱心に耳を傾けていた。
人口が27万人を切った函館市の高齢化率は32%、3人に1人が65歳以上だ。「高齢者単身世帯数は33.9%、つまり高齢者のいる世帯の3世帯に1世帯は単身なのです」と高畑さんは話す。現在、函館市と近郊にある訪問看護ステーションは23カ所。オハナは20133年12月に開設され、年中無休の24時間体制で在宅療養を支援し、自分らしく生きるための在宅療養を支える看護を提供している。
「8割の人が最期まで自宅で生活することを望んでいるのに、8割の人が病院で亡くなっています。函館の自宅看取り率8.7%。日本は先進国の中での在宅死率が低い」と教えてくれる。普段から意識したいことは、あまりたくさんの診療科にはかかり過ぎないで、自分のことをよく知ってもらえる『かかりつけ医』を持つこと。急性期病院とクリニック(診療所)との役割の違い、入院は治療が優先でやることをやったら帰るべきと指摘する。
「ゆる〜い介護を目指したいものです。こうあるべき介護からは脱却すること。自分を犠牲にしないで、どれだけズボラにできるか。つまり『なるようになるさ』という精神も必要です。そのためにはいろいろなサービスを上手く使ってください」。普段関係していない親族の心ない言葉は「へのカッパ」とは、その通りである。

(以上、本文より一部を抜粋)


市立函館病院の赤字9億円

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2016年6月8日の北海道新聞の記事から。



函館市病院局は7日、市立函館病院で開かれた市病院事業経営改革評価委員会で市の病院事業の2015年度決算見込みを報告した。このうち市立函館病院は14年度より入院患者数が減少し、国の決める診療報酬の算定係数ランクが14年度から下がっていることから、単年度赤字額は前年度比7千万多い9億250万円となり、2年連続の赤字決算となった。
恵山、南茅部を合わせた市立3病院の決算赤字額は、前年度比1億3680万円増(14%増)の10億8840万円。これにより全体の医業収益に対する資金不足比率は約11.5%となり、市病院局は17年度、2008~11年度以来の起債の制限を受けることになる。
市病院局によると市立函館病院の15年度の赤字額は、07年度の17億5190万円に次ぐ規模。同病院局は当初、2億6千万円程度の赤字を見込んでおり14年度の8億3250万円に続いて大幅な赤字となった。
病院局は赤字の理由について、同病院の診療報酬の算定係数ランクが14年度から下がり、年間で約2億円の減収になっていることを報告。また14年度に救命救急病棟の改築工事を行った際に騒音のため入院制限を行ったところ、15年度になっても患者が増えない状況が続いたため、年間の1日平均入院患者数が14年度より21.8人少ない445.3人に減ったことなども原因と説明した。

木田金次郎と泊原発

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北海道新聞みなみ風の「立待岬」。
9月2日掲載のタイトルは「木田金次郎と泊原発」。



 ニセコアンヌプリから雷電山まで東西に連なるニセコ連峰の山々からは、眼下に群青の日本海と岩内の街並み、それと北海道電力泊原発を見ることができる。多くの登山者がブログやSNSで泊原発に触れるのは、それだけこの建物の存在が気になるからだ。
 先週のニセコは雨が降り出しそうな空模様で、山歩きは諦めてニセコ高原と岩内を結ぶニセコパノラマラインを走った。岩内の街から原発までの距離は5~6キロ。3つのドームが海のすぐそばに建っている。
 岩内漁港の手前に木田金次郎美術館がある。少年時代から絵画への情熱を持ち続けてきた木田は、作家有島武郎との運命的な出会いにより、その生涯を岩内で過ごし、絵筆を握ることを決心した。有島が木田との交流を、小説「生れ出づる悩み」として発表すると、そのモデル画家として知られるようになるが、厳しい漁師生活の中で岩内周辺の自然を描き続けてきた。
 木田が原発周辺の海岸を描いたものはほとんどない。「ヘロカラウス残照」という作品には、泊原発沖の岩礁と白い波が描かれているが、原発の港をつくるためにこの岩礁は爆破された。
 岩内はすし屋が多い。8月末までの漁期のウニがこの時期の名物で、甘みのあるウニの香りが口の中に広がる。おいしい昆布が甘みの深いウニを育てるそうだ。泊原発に最後まで反対したのは岩内郡漁業協同組合、岩内の漁師たちだった。
                                         (メディカルはこだて発行・編集人)


ニセコパノラマラインから見える岩内の街並み(左)と北海道電力泊原発


ヘロカラウス残照


ウニがおいしかった岩内のすし屋





市、遺族に和解金1千万円。市立函館病院で手術中に女性死亡。

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2016年8月26日の北海道新聞の記事から。



函館市の市立函館病院(木村純院長、668床)で昨年9月、渡島管内七飯町の60代女性が肺がんの手術中に大量出血して死亡する医療事故が起き、同市が遺族に和解金1千万円を支払う示談が成立していたことが25日、分かった。同病院は和解金について「一般的な手術の仕方で、対応に問題はなかったが、結果として患者が死亡したことには責任があると判断した」としている。
同病院によると、女性は昨年9月11日、胸部に開けた小さな穴から内視鏡を入れ、がんを切除する「胸腔鏡手術」を受けた。担当した外科医が切除したがんを体外に取り出す際に大量に出血したため、メスで胸部を切開して止血措置をしたが、同日中に死亡。死因は出血性ショックだった。
同病院の調査では、患者の胸の動脈がもろくなっており、手術器具などが当たった際に傷ついて出血したという。市と遺族が協議し今年7月、示談が成立した。市は9月1日開会予定の定例市議会に、和解金を盛り込んだ本年度病院事業会計 補正予算 案を提出。可決されれば10月31日に支払う。


町立松前病院の独法化検討。町長、中断を正式表明。

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北海道新聞9月13日付の記事は下記の通り。



松前町の石山英雄町長は12日、同日開会した定例町議会の行政報告で、町立松前病院(100床)の地方行政法人化(独法化)の検討中断を正式表明した。石山町長は4月の町長選で、同病院の独法化検討を公約に掲げて再選されたが、院長が7月末に退職したことなどを理由に「検討継続は難しい」と述べた。これに伴い、町は、独法化実現に向けて町立病院事務局に派遣されていた道職員の任期を、来年3月末から今月15日に短縮する。
石山町長は独法化検討の再開時期について「新院長の下、一定の方向性が見えた段階で再検討する」と述べるにとどめた。老朽化した町立病院の改築は町総合計画(2008~17年度)に基づき、関係機関と協議を急ぐ考えを示した。
一般質問では、議員が前院長の後任選考の遅れや常勤医の4人体制への縮小について「リーダーの資質が問われている。事態を招いた責任を給与減給などでとるべきだ」などと追求。石山町長は「心配している町民におわびする。早期に(新しい)体制を確立するのが責任の取り方だ」とし、常勤医確保を急ぐ考えを強調した。
また、国から求められている「新公立病院改革プラン」は、提出期限の本年度内の策定計画には変わりはないとした。福原英夫、工藤松子両氏への答弁。
定例会はこの日、地域振興費など計2億4766万5千円を追加、総額52億9692万3千円とする本年度一般会計補正予算案など議案10案を可決した。会期は20日まで。



名水とうどん

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ニセコの山登りの後の楽しみは温泉と食事、それと名水だ。
名水とは、良好な水質と水量を保ち続けて古くから土地の財産となってきた湧水や地下水で、無料開放の名水スポットは週末になるとペットボトルやポリタンク持参の多くの人で賑わっている。
ニセコ町の「さかもと公園の甘露水」をよく利用してきたが、数年前から取水場が大幅に縮小されたことから、ペットボトル数十本の大量取水者が多くいる場合などは諦めることが多くなった。
連休中は「さかもと公園の甘露水」、さらに真狩村の「羊蹄山の湧き水」も予想通りの賑わいだったので、京極町の「ふきだし湧水」を訪れた。


広い駐車場も満杯状態だった真狩村の「羊蹄山の湧き水」。

ふきだし湧水は羊蹄山に降った雨や雪が数十年の歳月を経て流れ出ている湧水場だが、1日の湧水量が8万トンと30万人の生活水に匹敵するなど、名水場としては国内最大級の規模を誇っている。
駐車場は3カ所あるが、第一駐車場(名水プラザ側)に停めて、吊り橋を渡る。


ふきだし公園にある吊り橋。

湧水の一帯は「ふきだし公園」となっていて、販売施設や遊具などのある芝生広場、隣接して温泉やパークゴルフ場、キャンプ場が整備されている。
おいしい水が絶え間なく湧き出る公園は、名水の里として多くの人に親しまれてきた。


ふきだし湧水の取水場は、駐車場から少し離れているので大量の取水者は少ない。


1日の湧水量が8万トンにも達する「ふきだし湧水」。

ニセコ周辺は蕎麦屋が多い。
「いし豆」(真狩村)や「そば処楽一(らくいち)」(ニセコ町)、「手打蕎麦いちむら」(倶知安町)などの人気店の週末は、1時間近い待ち時間が当たり前になっている。
折角、京極町の「ふきだし湧水」へ行ったので、蕎麦ではなく同じ京極町の更進にある「名水うどん野々傘(ののさん)」へ。


名水うどん野々傘

このうどん屋もすごい人気店で50分は待った。
テーブルに着いてからも10分は待つ。
メニューは温かいうどんと冷たいうどんが、それぞれ7~8種類。
店主が修行した大阪の有名店「釜たけ」をルーツとする逸品「ちく玉天ぶっかけ」と、甘辛に炊き上げた牛肉と温泉卵が絶品の「牛温玉ぶっかけ」のどちらにするかで少し迷ったが、今回は「牛温玉ぶっかけ」を選んだ。


牛温玉ぶっかけ


秋の交通安全運動で

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昨日は朝起きてから「きょうは何かいいことがありそう」という予感がしていました。
市内石川町の交差点で信号待ちをしていると、揃いのジャンパーを着用した町内会の人が交通安全のチラシを配っていました。
チラシと一緒に渡されたのは、石川町で採れたばかりのニンジンとジャガイモ。

昨日の山登りの後半はずっと雲の中。
下山して山を見上げると、すっかり晴れていました。

日本慢性疾患重症化予防学会の第1回道南支部総会が開催される

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24日は日本慢性疾患重症化予防学会(平井愛山理事長)の第1回道南支部総会が函館五稜郭病院で開催された。
当日は午後5時から約4時間の長丁場だったが(8人が講演)、まったく飽きることはななかった。
今回のテーマは「糖尿病性腎症 重症化予防の最新動向」。

日本慢性疾患重症化予防学会の道南支部キックオフセミナーが開催されたのは昨年1月。全国で最初の立ち上げとなった同支部は、函館稜北病院の佐々木悟副院長が呼びかけたものだ。

これまでの日本の医療・介護システムは、慢性疾患の重症化した患者を来た順に対応するというセーフティーネット型で運営されてきたが、このシステムではもはや高齢者を中心とする地域住民のヘルスケアを守りきれない状況だ。慢性疾患の重症化を地域ぐるみで防止し、介護度の上昇を地域ぐるみで防止するには新たなインフラ型へのパラダイムシフトが必要になっている。
さらに高齢者に多い慢性疾患に対しては、慢性疾患の重症化防止や合併症予防を目的に、医療職だけでなく介護職や行政職も含んだ地域総力戦を支える体制も必要だ。そのためには地域の慢性疾患全体の見える化を図り、地域のヘルスケアに関する関係者を集めた連携体制とすることが課題となっている。
同学会の特徴は「疾病管理MAP」と呼ばれる患者層別化データベース、それと医師や看護師、栄養士、コメディカルなどの多職種による連携協働による従来の臓器別や職種別ではなく、まったく新しいスタイルで臨床エビデンスを創出することにある。

「一般講演」では函館稜北病院と函館五稜郭病院の取り組みについて、函館五稜郭病院医療総合サービスセンターセンター長の船山俊介さんが「頸動脈エコーと320列CTを活用した症候性冠動脈疾患の地域連携」、函館稜北病院医事課の中尾健さんが「疾病管理MAPとΔeGFRを活用した急逝進行性糖尿病腎症患者さんの層別抽出方法」、函館稜北病院検査課の滝沢智春さんが「推定塩分摂取量とソルセイブ閾値の二次元プロットについて」、函館稜北病院看護部の髙橋友美さんが「推定塩分摂取量と塩分交換表を活用した減塩指導について」、函館五稜郭病院栄養課の工藤茂さんが「地域ぐるみの減塩を目指す減塩サポーター構想について」と題して、それぞれ講演をした。

「教育講演」では、「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」の策定と最新動向について、日本慢性疾患重症化予防学会の平井愛山理事長が、プログラム対象者選定の考え方や市町村における対象者抽出のフロー、重症化予防の取り組みに係るアウトカム評価の考え方などをかわりやすく解説した。

「特別講演」は、八田内科医院(京都市左京区)の八田告院長と大阪医科大学付属病院慢性疾患看護専門看護師の井上智恵さんが、それぞれ「糖尿病性腎症重症化予防としての減塩の役割」、「減塩教育入院における看護師の役割」と題した講演を行った。
八田院長はNHK「ためしてガッテン」やテレビ東京「主治医が見つかる診療所」のテレビ番組に出演するなど、腎臓や透析、高血圧、循環器を専門とする著名な医師だ。


八田内科医院(京都市左京区)の八田告院長。



駒ヶ岳〜砂原岳

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10万年以前に活動を開始したとされる駒ヶ岳は約4万年前までに溶岩や火砕物を噴出し、円錐形の成層火山を形成した。その後は3回の噴火活動期があり、複数回の山体崩壊と爆発的噴火を繰り返している。
現在の山頂部には西の剣ヶ峯、北の砂原岳、南の馬ノ背・隅田盛で囲まれた直径約2kmの火口原がある。
1996年3月小噴火が繰り返し発生し入山が規制される。98年6月小康状態になり一部解除されるが、同年10月活動が活発化、再度入山規制となった。 2001年小康状態となる。 2007年以降は調査等のために許可を受けた者以外は入山禁止。2010年には小康状態が進んだと判断され、条件付ながら登山範囲が拡大された。
入山規制は、ルートが赤井川登山道のみ、最終地点は馬ノ背とされてきたが、昨年から法令に基づく規制ではなく、規制区域内に足を踏み入れても罰則等の適用はないという内容に変更されたようで、剣ヶ峯や砂原岳を訪れる登山者の情報が多くなってきた。
1996年から2000年にかけて計8回の小噴火が発生したが、いずれの噴火も予兆を捉えることはできなかった。
現在は静穏な状況が続いているが、何の前触れも無く噴火する可能性があるので(噴火が発生した場合、規制緩和区域内であっても被災する可能性もある)、入山をするか否かは、登山者の「自己判断」「自己責任」だ。
1日に駒ヶ岳の馬ノ背から砂原岳を歩いてきた。


剣ヶ峯全景
馬ノ背には規制ロープが設置されていて、そのロープの先を歩くと、右は火口原、左はゴジラの背中のような剣ヶ峯の全景が見える。


中央より少し右の高いところが砂原岳


砂原岳への登山道は正面の斜面を斜めに上がっていくはずだが、登山道は見つからない。


しばらく歩くと、ようやく登山道があった。


溶岩壁。
人の顔のように見える。


溶岩壁を過ぎると、この斜面を登っていく。


一等三角点だけの砂原岳山頂


20年前には三角点から先の稜線をギリギリまで歩いたことがある。
今はとても歩く気にはなれない。


火口と割れ目。


剣ヶ峯を見上げる。


剣ヶ峯の北側を登る。


この先を少し登ったところで休憩する。
20年前とは身体の感覚がまったく違っている。
怪我をする恐れがあるので無理をしないで下ることにした。


火口では弱い噴気活動が継続中だ。


「星の駅」の最新号が発刊

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西堀滋樹さんが発行人の「言葉」と「本」を主題としているエッセイ誌「book 星の駅」の最新号が発行された。



2012年から年2回発行している同誌は今回が第8号となる。
今回の特集テーマは「あの本のこと」。
思い出に残る本のこと、その本にまつわる出来事やその本が自分に与えた影響などについて、函館や近郊に在住する11人が、それぞれ思い入れのある1冊を紹介し、その本の思い出などを書き記している。

今号では、私も11人の1人として、「「死にゆく妻との旅路」のことを書いた。
月刊誌「新潮45」の2000年11月号と12月号に掲載後、大幅に加筆して2003年、壮絶なる愛の実話として出版されたのが「死にゆく妻との旅路」(清水久典著、新潮文庫)だ。著者の清水久典さんは1947年石川県生まれ。中学卒業後、縫製会社に勤務。高度成長期を縫製業一筋に生きる。やがて、清水さんは自分の工場を経営するまでになったが、中国製の安価な製品の登場によって経営は逼迫。さらに友人の保証人になったときから、人生の歯車は大きく狂い始めた。借金を背負うようになり、そして自己破産寸前まで追い詰められたとき、妻の末期がんを知らされる・・・

「book 星の駅」はA6判26ページ、1冊100円。函館市地域交流まちづくりセンター内のカフェドリップドロップ(末広町)、シネマアイリス(本町)などで販売している。




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